レキシントン−ケンブリッジに通うための居住地

October 16, 2004

少し地理的な説明をします。Boston市にはボストン大学、ノースイースタン大学などがありますが、チャールズ川を超えた西側のケンブリッジ市にはハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、タフツ大学など学園都市が広がります。学園都市といっても筑波のようなものではなく、基本的には都市の中にある大学という感じで、東京にある大学などと地理的には似ているかもしれません(キャンプパスの手入れと景観はケタ違いです)。そしてそのあたりに通う多くの日本人は、ケンブリッジ市、ケンブリッジを取り囲む、北のサマービル(Somerville)、北西のアーリントン(Arlington)、西のベルモント(Belmont)、あるいはチャールズリバーをはさんでボストンの南西に位置するブルックライン(Brookline)に居住することになります。おそらく主観的にはこの5都市で日本人(永住を除く)の90%くらいをカバーするのではないでしょうか?これに日本人居住地としてちょっとレア?な、ウォータータウン(Watertown)、ウォルサム(Waltham)、クインシー(Quincy)を加えまして、簡単にそれぞれの特性を簡単に紹介します。(なお街に対する感覚は個人的に異なりうること、そしてサウスボストンなどを除けば、やはりどこでも”住めば都"であることも追記します。)

ケンブリッジ(Cambridge):もちろん大学に通うのに便利ですし、買い物も不便しません。レッドラインのセントラル駅(ハーバードの隣)には、吉野屋という日本食材を購入できるお店もあります。以前は市庁舎より東はあまりよくなかったと聞きますが、少なくとも昼間は危険はないと思います。このセントラル駅周辺やサマービルと接する北側のケンブリッジなど、夜はあまり歩きたくないところではあります。Mass Ave.よりも西のケンブリッジは、落ち着いたきれいな町並みです。子供がいる場合、もし公立学校に通われるのであれば、他の地域と比べて相対的にはそれほどよくはないと思います。

サマービル(Somerville):アメリカ人の同僚などはそこに住んでいましたし、それなりに都会なので生活は便利ですが、5都市の中では居住としてはすこぶるよろしい訳ではないと思います。その分、やや家賃が安いです。危険ということはあまりないですが、それでも他に比べて劣ります。個人的には、サマービル内では車で道に迷うこともあり、気付くとメッドフォードに入っていたり、相性がよくありません。ソーシャルセキュリティナンバーをもらいに行くときは、Davis Sq.駅で降ります。送ってきたナンバーを見ると、自分の名前が違っているので、2度行きましたが、いつみても結構、凄い面子がそろっています(自分も?)。

ベルモント(Belmont):日本で聞いていたところによると、かなりの高級住宅地であると、また2000年ころの相場としては月2000ドルを下回る賃貸住宅はないということでした。ハーバードまではバスで通うことができ(冬の待ち時間はきついです)、安全で良い住宅地であることは間違いないですが、他を圧倒する高級住宅が立ち並ぶ訳ではありませんので、やや誇張しすぎている感覚を持ちます。 かつて小和田雅子さんがハーバードで学んだときに、ベルモントに住んでいたから日本人に評判がよいのだろうか(・・・このあたりで特別にすごい訳ではないのに・・・)?と不動産屋さんも言っていました。それでも、もちろん良い住居地です。

アーリントン(Arlington):一般にベルモントには劣るのかという印象もあるようですが、実際はベルモントと隣接している場所はほとんど区別ができないほどですし(アメリカの場合、市が変わるとガラッと雰囲気が変わる場合もあります)、ほとんど変わらない快適性があります。北西部の方(アーリントンハイツ)なども、さらに気持ちの良い街です。もちろん治安面では、ベルモント・アーリントンともに悪い場所など見たことがありません。現地での日本人の話によると、アメリカの家賃高騰によって、1990年代後半にはブルックラインから日本人がそうとうアーリントンへと移ってきたと聞きました。娘が1年だけアーリントンの幼稚園に通いましたが、現地の学校ではクラスに数人の日本人が必ずいると思います。

ブルックライン(Brookline):ハーバードのメディカルエリアがあるので、その方面の方が多く住んでいます。アートな雰囲気もあり、都会的ながらも良い場所です。東京でいえば、青山といった感じでしょうか。日本人居住者も多く、この5都市でいえば公立学校のひとクラスにもっとも日本人シェアが多いでしょう。ケンブリッジにはバスでも、また電車(遠回りですが)でも通えます。

ウォータータウン(Watertown):ケンブリッジの西(ベルモントの南西)には、ウォータータウン(Watertown)があります。そこにはウォータータウン・モール(Water Town Mall)とアーセナル・モール(Arsenal Mall)が向かい合ってありますので、買い物にも便利です。モールとしての雰囲気はとくに高級という訳ではありませんが、雰囲気は悪くはありません。バスも始発でハーバードおよびセントラルまで行けます。

ウォルサム(Waltham):ウォータータウンの北にはウォルサムがあります。それはレキシントンの南に位置していますので、僕もよく行ったのですが、居住地としてかなり良い環境のところもあります。総じて北の方が高級地と思います。ウォルサムに家を持つ中国の方が、子供が公立小学校のGrade-K(日本でいえば幼稚園の年長)に入る年次に達したということで、わざわざレキシントンの賃貸マンションに引っ越してきました。レキシントンの公立学校の評判は高いのですが、それほどかなあ?と思っていたところ、Grade-1(1年生)のときには再びウォルサムへと帰っていきました。まあそれほど大きくは変わらないのでしょう。ウォルサムはインドの方が多いようですが、街としては噛めば噛むほど味が出るような感じです。

クインシー(Quincy):ボストンの南にクインシーに住まれている方もいました。その方はボストンに通勤していましたが、レッドラインにずっと乗っていればMIT・ハーバードまで行けるという意味ではケンブリッジまでの通勤は可能かもしれません。その東には、Hullという海岸沿いの、湘南のような町並みとビーチがあります。夏には近場のビーチとしてにぎわいます。クインシーには中国人が多いということで、ボストンのチャイナタウンが縮小する中で、新しいチャイナタウンとなっていくのかもしれないとのことでした。

そう、アーリントン・ベルモントを横切ってさらに西に進むと、ウォルサムを越えて北に向かうと、いよいよレキシントンとなります。レキシントンの話題に戻ります。


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