レキシントン−公立学校に行こう

October 28, 2004

レキシントンの魅力のひとつは公立学校(小学校6つ、中学校2つ、高校1つ)の評判が高いことです。こちらに来たばかりのときは、どこに住居を決めた?と大学でなんども聞かれましたが、"Lexington"というと決まってあそこはpublic schoolがいいだろう?と言われました。もっとも、この会話が成立する前に、きまって「え?どこ?えっ?」となんどか聞き返されました。Lexingtonを日本語読みにアクセントをつけずに(”栗きんとん”とかのような感じで)言うと通じません。キシントンとでも大げさに言ってはじめて理解されるのには、参りました(アクセントの問題に加えて、ケンブリッジに通うための居住地としてちょっと意外感があるからと思います、という慰めの解釈もしています)。

渡米時5歳の息子は、公立小学校に付随しているKinder(日本で言えば幼稚園の年長さん)に通いました。6月に渡米しましたので、9月から通うための登録はどうするのかということでまずLexington Centerにある市役所に行きましたが、住所から学校を指定され直接小学校に行け!ということで学校に向かいました。広い校庭と平屋の校舎に人影を探してもだれもいません・・・。日本でしたら夏休みでも近所の子供が遊んでいるでしょう。その場は撤退して、後日出直し、あいかわらず誰もいない校庭を横切り、恐る恐る校舎に入ると総務部長、いえ(後に知ることになる)校長先生がいました。簡単な情報を聞かれ、その場で登録はOK!と言うので、大丈夫なのかなと思いながらも撤退し、始業日に学校に向かったのが2度目です。

始業日、これまでの閑散とした校庭がうそのようにkidsで埋まっています。入学式や始業式など何もなく、もちろんランドセルのような統一感も無く、ただ旗を持って妙に笑っている先生の後について子供が学校に入っていくのを見届けるのみです。ちょっと安心したのは、不安そうにママから離れないような感じの現地の子供もいて、園服のようなものを着ていないからか、ちょっと落ち着いて見えるアメリカの子供たちも日本と同じだなあということでした。日本人はクラスで一人、学年(3クラス)では二人ということで、息子はちんぷんかんぷんな環境に結構戸惑ったようですが、終わってみれば1-2ヶ月ほどで安定してきたようで安心しました(お子さんがいてこれからアメリカに来る方にはこれがもっとも心配でしょうから、改めて書きます)。クラスにおける外国人っぽい子供は(そんなことを気にしているのは僕らだけでしょうが)、うちの子供、中国人二人(といっても一人はアメリカで生まれたアメリカ人、もうひとりはアメリカに移住)とイギリス人一人で後は、こちらの子供たちです。アフリカンアメリカンの子供はクラスには(学年にも)いないことは驚きでした。アメリカ的な平均からはかなり偏っています。

学校に慣れるまでのプロセスでの、おそらく日本との違いは、変にいじめたり仲間はずれにするようなことはあまりないことです。もちろん子供はときに残酷ですので、ときには無視したりするでしょうが、それは誰にでもしていることで陰険な感じはありません。そしてもし理不尽なことがあったら、すぐに担任の先生に言えと、そしてそれは総務部長へ、いやプリンシパル(校長先生)に伝わり、その子供が呼び出され学校に来なくてよいと叱られるのです(校長先生はPh.D−博士学位−を持っており、フットワークは軽いのですが諸先生は敬意を持って接しているような秩序もあります)。そう、すべての子供に学校で楽しく過ごす権利があるのに、それを奪っている罪は大きいのです。とくに暴力にはすごく敏感なのには、聞いてはいながらも驚きでした。日本で見るアメリカには暴力があふれていますが、日常の生活やテレビのなかでは日本の方がずっと多いのでしょう。

さてアメリカではkinderの先生はずっとkinder、first grade(1年生)はfirst gradeと固定されていますが、クラスの部屋はその先生自身の部屋のようになっています。そしてクラスで何をやるかの裁量は担任の先生に任されているようで、他のクラスとは違ったことをしています。 ささやかながら、クラスでおこなわれていた興味深いイベントは"show and tell"そして"celebrate me"などでした。それは改めて紹介します。


Lexington
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