Windows環境でのモバイル・データストレージのためのiPod (1)

January 14, 2005

(2)その後の転換-January 20, 2005-へ)

負担なく職場と自宅でデータを共有することは、今でも結構厄介なことです。そのため、しばらく東芝の"Mobile Disk 5GB"(PCカード)を使っていました。(それは2001年ほどに購入したものと記憶していますが)ほぼ毎日のように使っていても動作は安定しており、たいへん重宝しています。しかしこの数年間でデータ量の増大に伴い、徐々に5GBという制約が問題となってきていました。後継の新製品が出ていないかはときどきチェックしていたのですが、このPCカード型のハードディスクは需要が少ないのか、なかなかより大容量のものが発売されずにいます。やむなく、毎日は部分的にデータを共有できずにときどき小型の外付けハードディスクを持参してデータを拾い上げるようなことをしていました・・・(こういう制約は、結構非効率な状態を生じています)。そんなところで、MP3プレーヤーとしての需要によって大容量化が進んでいるApple社のiPodを利用してみようかと思い立ちます。

iPodは基本的にMP3の音楽を持ち歩くものでしょうが、残念ながらも音楽にはほとんど無縁ですので、問題はモバイルできて、大量のデータストレージができるかどうか、しかもWindows XPとWindows 2000の環境でということになります。web上で調べると利用可ということですが、その多くの方はMacユーザーのようで、Windows環境で本当に大丈夫かな?操作性が悪かったり、妙に遅くなったりしないかな?(しかも僕の使っているPCにはFireWireはなく、今どきUSB 1.1だけ・・)という不安を抱きながらも、そう思い立った12日の夜にiPod Photo(60GB)を購入してきました(今はアメリカにいますので、店のreturn policyを確認しておけば返品は結構気軽にできますし・・・)。

結論としては・・・、まったく問題なくいけます。iTunesでiPodを認識させて、データストレージとしても使うというような簡単な設定(しかもその分の容量を区切ったりする必要もなく・・)をすれば、後はつまるところWindows環境でもモバイル大容量ハードディスクとして普通に使えます。そのように使う場合、これまでのミラーリングソフトを使えるかという部分も不安でしたが、大容量ハードディスクとして使うだけであればドライバーも必要なくPCが認識してくれますし、これまでのミラーリングソフトも使えました。 さすがにUSB 1.1では、1GBのバックアップをするのに20-30分ほど必要でしたので、翌13日にはUSB 2.0(それ自身のみでは、理論上は40倍ほど早い)のPCカードは買いました(安いものだと1枚30ドルほど)。(なおCambridgeのHarvard Sq.にあるRadio ShockとStamplesではUSBカードすら売っていないのでした。)

もしiPodをご検討している方がいれば、僕の経験ではWindows環境での大容量データストレージのため、問題なく快適に使えるということをお伝えしておきたいと思います。まだ使い始めて3日目ですが、iPodのハードディスクは東芝製ですし、安定していることでしょう。しかし、東芝がせっかく小型の大容量HDを開発しても、最終財としてのアップルのiPodがもっとも高い付加価値を獲得します。なお、iPod "Photo"である必要は僕の場合はまったくないですが、普通のiPodは2005年1月現在でもまだ40GBが最大です。もうしばらくはiPod(20GB,40GB)自体の陳腐化を回避して、より高付加価値な"Photo"で稼ぐ戦略なのでしょう。iTunes Music Storeで購入する音楽というソフトの部分と、そしてiPod購入者がMacのPCを購入するという新たなハードの波及効果もあって、ちょうど僕がiPodを買ってきた2005年1月12日の夜には、(アナリストの予想をも上回り)アップル社の第1四半期の決算では四半期売上高および純利益での”過去最高!”を記録したとアメリカのTVニュースでも報道されていました。ちょうど動作確認できたころでしたので、妙に納得していました・・・。しかもiPodによるこのいい流れのなかで、499ドルのMac miniを発売するらしく、PC本体がiPod Photoの購入価格599ドルより安いのですから、ソフトウェアでのlock-inのないWindowsユーザーが流れてくるでしょう。 日本の製造業による商品開発の最後の詰めとシナジー効果の創出に期待しながら、それまではこの60GBで1-2年ほど待っています。

以上を見て、iPodの購入を検討された方は、1週間後の(2)その後の転換・・・へを参照してください。


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