JQGDPの四半期別経済成長率(製造業・非製造業)
・2023年第3四半期におけるJQGDP(2次予測)は、実質GDP成長率-0.31%、名目GDP成長率2.70%(前期比年率換算、季節調整済)。
・製造業の寄与度はマイナス1.45%と、2023Q2の上昇から一転、再び減少に転じる。
JQGDPとJSNA四半期速報との比較
JSNA四半期速報(2023年11月15日公表)のQ3は、前期比成長率でJQGDPよりもマイナス幅が大きなものとなりました。ただしJSNAでのQ2の前期比成長率は、世界的に注目されましたが、その推計値が高すぎた可能性があります(後に公表されたJSNA自身の生産QNAでは、JQGDPに近いものとなりました(
2023Q2の資料))。以下の図のように、前年同期では、ほぼQ3において、JSNAとJQGDPはほぼ近似していることがわかります。
前期比
前年同期比
JQGDPとは?
JQGDP(日本の四半期GDP予測)は、その「1次予測」として
内閣府経済社会総合研究所(ESRI)による四半期速報(1次速報)公表の二週間ほど前に、
その「2次予測」としてESRIの四半期速報(2次速報)公表の一週間ほど前に公開されます。
JQGDPは産業別の生産側からのアプローチによることが大きな特徴であり、(ダブルデフレーションによる)産業別付加価値価格指数とともに推計され、実質GDPは36産業別推計値からのトランスログ指数による集計値として求められます。
JQGDPの開発は、エネルギーコスト変化の把握に注力した
ECM(エネルギーコスト・モニタリング)と平行して実施され、2022年Q1推計値の公表(2022年4月)から開始しています。
月次GDP推計はよりチャレンジングな課題ではありますが、
JMGDP(月次GDP推計)として公表しています。
JSNA四半期速報との比較から、しばらくはJQGDPにおけるフレームワークも改訂されていきますので、参考値としてご理解ください。