研究課題

· 資本の測定

資本の測定とは、投資財の生産から、投資、ストックへの蓄積、資本サービスとしての利用、そして資本サービスの価格までを包括しています。拙著『資本の測定−日本経済の資本深化と生産性−』における更新情報のフォローアップから、現在、内閣府経済社会総合研究所(Economic Social Research Institute ESRI)で進行している公式資本統計プロジェクトなどを含め紹介します。2015年時点の最新推計では、研究開発(R&D)の資本ストックおよび資本サービスの推計もおこなっています。

· 日本の産業レベル生産性統計

日本経済を対象とした長期産業別生産性データベース(KLEMSデータ)。20155月時点では、1955-2012年にわたって、47産業分類(公務・家計部門を含む)で構築されています(資本推計に対応して、時系列産業連関表および労働データでも1955年までの遡及推計を完了しました)。また3つのIT製造業を分離したデータベースも構築しています。利用を望まれる方はご連絡を頂ければと思います。

· エネルギー・環境分析・モデル分析

日本政策投資銀行(旧日本開発銀行)設備投資研究所 地球温暖化研究センター(Research Center on Global Warming RCGW)との共同研究によって、われわれの構築しているKLEMS生産性統計に対応した構造方程式体系の推計から、多部門一般均衡モデルを構築しています。簡単なその構造的紹介とともに、エネルギー・環境分析などに対する測定結果を紹介します。

· アジア諸国国民経済計算および生産性データベース

国際機関 アジア生産性機構(Asia Productivity Organization: APO)との共同研究によるAPO加盟アジア19カ国の国民経済計算と生産性関連データベース(プロジェクト名:APO Productivity Database)。マクロあるいはビジネスセクターなどの集計量、産業別(大分類ほど)が基本ですが、アジア諸国におけるデータの課題は多いものの概念的な検討を含め改善が継続されています。

 

慶應義塾大学
野村浩二

 

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